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はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

サノバウィッチ雑感(憧子ルートネタバレあり)

七緒「キミが触れるべきは感情ではなく『心』。そのために必要な物は能力ではなく、知ろうとする意思」

柊史「……」

七緒「『心』なんていうものは、本人じゃないと知り得ることはできない……いや、 

   もしかしたら本人ですら知り得ないことなのかもしれない。だからこそ、ぶつ

   かってみないとわからないことも多いんだと思うよ」

                     (サノバウィッチ/憧子ルートより)

 

  “他人の感情を五感で感じる”力を持つ少年──保科柊史──と、人の感情の余剰を回収して自らの魔法の糧とする“魔女”に関わる物語。

 

 いやあ、面白いですね『サノバウィッチ』。

 こう書くと、知らない人はなんじゃそりゃ、となってしまいますね。先月末に発売された18禁PCゲーム(エロゲ)の事です。

 

 主人公とヒロイン達のコミュニティ形成から、コミュニティ存続の危機及びその解決……と、様式美といってもいい共通部分。読んでいて時間を忘れるほど面白いのは、やはり魅力的なキャラクターと安定した文章の賜物なのでしょう。流石です。

 メインのヒロイン4人のうち魔女2人は後に回すとして、まずは憧子先輩ルートをクリアしました。

 主人公の柊史が唯一感情を読むことの出来ない相手、戸隠憧子。このように書くと、メインのヒロインというのは納得の立ち位置ですね。感情が読めない原因は何なのか、飄々とした性格の彼女は一体何者なのか。

 他人の感情を読むことが出来ないのは、いわば当たり前のことで、しかし柊史にとっては初めてのことだった。物語の中で彼は言います。憧子さんがいてくれたから自分は足りない部分を埋めることが出来たのだと。共通部分のシナリオでも描かれていますが、柊史は他人と距離をとり過ぎる自分を変えようと努力していました。

 能力に頼らない、普通のコミュニケーションの積み重ねによる、普通の恋愛。

 そういった意味で、憧子先輩のルートは、物語冒頭から一貫した柊史の成長物語といってもいいと思いました。

 

 憧子ルート全体としての感想はそんなところで。

 

 ゆずソフトの作品は『のーぶるわーくす』を長年積んでいる──灯里ルートをプレイすると相当なダメージを受けるらしいという情報はある──くらいで、個別まで読み進めたのは今回が初めてでした。しかし大手だけあって、上述したように共通部分のお話が非常に面白いですね。展開は王道で、目新しさはないけれど、それでも惹きこまれる。

 そんな共通部分の面白さに一役買っているのが、ところどころのギャグシーンに入るSD絵だと思います。この絵がまた可愛らしい。今現時点でギャグおよびオナニー担当であるところのメインヒロイン、綾地寧々の真骨頂はここだ! と言わんばかりに寧々さんが輝いています。

 俺としては、一人のヒロインとの関係を掘り下げていく部分も好きですが、それぞれの人物の内面は匂わせる程度に出しつつ、一つのコミュニティとして主人公達が生活していく部分も同じくらい好物なので、大変満足しています。

 

 さて、次は後輩ポジションであるところの因幡めぐるのルートへ進む予定です。メインヒロインがすべて自分のストライクゾーンに入ってくれているので、非常にありがたい。