はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

サノバウィッチ紬ルート感想(ネタバレあり)

紬「そうなんだ……だったら、いいよ。しばらく、保科君のお母さんでいてあげる、よしよし」

 こんな姿、他の人には情けなさ過ぎて見せられないだろう。

 それでも甘えたくなってしまうから不思議だった。

                      (サノバウィッチ/紬ルートより)

 

 紬お母さんは天使。

 

 はい、サノバウィッチ紬ルートを読み終えました。

 まったく……紬の可愛さはこのゲーム中で随一ですね! なんでしょう、最近男装している女の子にグラッとくることが多い気がします。男装することによって、逆に女の子らしさが強調されるから……仕方がないんですよ……。

 

 物語の中で協調されているのは、紬の母性ですね。柊史を優しく抱きかかえて頭を撫でたり、病気の看病をしてお粥を食べさせたり。またアカギに対して怒る時にも、厳しさの中に優しさが溢れている。

 そんな紬は、小柄で華奢な体つきをしていて、契約の代償により男の子の服装をしているのです。しかも契約の際に願った事は“目当ての品だった売り切れた服を、もう一着だけお店に並べて欲しい”というツッコミ所満載なもの。

 母性と外見、おっちょこちょいな一面。これらが絶妙なバランスで混ざり合って、紬お母さんという可愛らしい生物が爆誕しています。

 

 ストーリーについては、上述した紬の母性を描くためのもの、という印象を受けます。ですので、全体の盛り上がりなどについて特筆する点は少ないですが、その過程でアカギ──アルプという存在──に焦点が当たっており、アルプ側から見た心のカケラ集めについて触れられているのが新鮮でした。

 

 最後に、物語のエピローグにて。

 アカギが人間になるために魔力を集める魔女になる、と紬は言います。一度願いを持って魔女になった人間は、二度と魔女にはなれない。このルールをアカギも紬も知っている以上、これは「どこにもいかないで、一緒にいたいんだ」の意味。今のアカギには、それがわかる。そして、涙をごまかすアカギを優しく包むように──クリスマスの夜、雪が降るわけです。美しいですね。

 新たに始まるアカギと紬、柊史が、魔女の力を使わずに心のカケラを回収していくドタバタ劇も見てみたいなと思いました。やはりアカギが、

「くっくっく、名案を思いついたのじゃ!」

 と、いつもの調子で破天荒な計画を立案するのでしょうか。

 計画の結果、何故か魔法少女化した紬が触手と戯れる(お察しの比喩表現)ことになってしまい……その案に内緒で乗った柊史と一緒に正座──もちろん、紬お母さんのお説教付きです──させられながらも、どこか幸せそうなアカギが目に浮かんできます。