はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

「りゅうおうのおしごと!」5巻を読んだ。

 タイトルのとおり。書きたいことはまとまっていないので、ざっと感触だけ。

 なんというか……それがプラスでもマイナスでも、この社会で人間が生きている以上、循環している流れみたいなものがあって、多かれ少なかれそれらの輪に誰しもが乗っている。家族とか、友人とか、職場とか、ネットとか、今日はじめて会話した奴でもいい。あー、でも二次元じゃ駄目だな。二次元から受け取ることはできても、たったのひとつも返すことはできない。二次元から三次元への矢印は、いつだって一方通行になってしまう。悲しいけれども、どうしようもない断絶がそこにはある。

 まあとにかくだ。人間が社会で生きていく以上、ほかの誰かから受け取るものがある。わかりやすく『感情』としよう。幸せや悲しみは伝染する、とはよくいったもので、幸せな気分の時に誰かを悲しませてやろうと考える奴は、そうそういないはずだ。逆に悲しい気分の時は、自分で発散できる奴もいれば、誰かに八つ当たりしてしまったりする奴もいる。今回の物語の中でもあったように、誰かのためにと思って行動したことが、うまく受け取ってもらえないということもある。そういう風に、正なり負なり、伝わっていくものがあって、みんなが流れの中に身を置いている。どこを選ぶかは、ある程度はその人の自由だ。

 べつに『だからみんな、他人を大切にしましょう。人は一人で生きているわけではないのですから』という話ではない。そんなことを諭すように言われたら、「しらねーよ、んな当たり前のことを何でえらそーに言われないといけねーんだよ。それで上手く回っていけば世界は平和ですねー」とかいって反発したくなる。だからこれは、そういうお話ではなく。

 『将棋盤を前にしたら棋士はみな一人』

 物語当初から八一が口にしていた事実。そこに、『けれども』をつける。ほかの誰でもない、史上最年少のタイトルホルダー、最強の竜王が。

 これは、そういう話。

 

 余談。

 表紙やら内容やら、ほんとに最終巻かと思った。ラノベで例えるならブギーポップの歪曲王の巻みたいな。変わるもの、変わらないものがあって、物語としてすげー綺麗にまとまっている。この作者とか、あと杉井光さんなんかはドラマチックな物語を書かせたら頭一つ抜けてる印象がある。あとがきを読んだらわかるとおり、この物語はまだ続いていくみたいで、次はどう展開させていくのか楽しみだなー。杉井さんもキリカの7巻書いてくれねーかな。