はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

雑記。あるいは、恋×シンアイ彼女について。

 感想を書く、というのは不思議な行為だと思う。

 大体の場合、物語を読んだ直後には、様々な感情が俺の中をぐるぐる渦巻いている。それら一つひとつはひどく不安定で、しばらく時間が経つと、霧のように散ってしまう。いや、本当は気づかないだけで、心のどこかに残っているのかもしれないけれど。とにかく、そんな不安定なものを壊れないようにかき集めて、感想という比較的安定したカタチにしていく。

 そうしていると、漠然としたものが手でつかめるくらいに実体を持ってくる。この感覚が、非常に気持ちいいのだ。モヤモヤしたものが、明確に自分をつくる一部分になった安心感。ふとした瞬間に、心の箱から取り出して眺めることができるような。

 先日、恋×シンアイ彼女の感想を書き終えた時にも、そういう感覚はあった。読んでいる最中は色々な感情にとらわれていたけれど、結局のところ、あの物語は『その先にあるものは、美しい光景であるべきだ』という、そういうお話だったのだ。幾億もの涙がつくるような、そんな世界で……報われない出来事があったとしても、全力で突き進んだ者が、その先で目にする光景。それは、闇ではなく、光である“べき”だと。

 カタチになったそいつを、とりあえずしまい込んでみたのだけれども、どうにも未だに熱を放ちすぎている。まったく、胸焦がれる物語だった。