はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

『星空のメモリア』プレイ日記。

 数年前、まだ幼さが残っていたあの頃。おでこにキスを交わし合うような間柄の女の子がいた。彼はそれを「初恋ではなかった」などと言い、ゆえに「いまだ初恋を知らない」などと嘯いているが、実際のところはどうだったのだろうか。ともかく彼は、そんな思い出を過ごした街を去り、数年後に帰ってきた。
幼少期の数年間。膨大な時間だと思う。その時間は、彼の中の思い出を白い靄につつませるには十分すぎるほどで、けれども完全に見失ってしまうほど、その思い出は小さなものではなかったようで。
 彼はこうして坂を登っているようだ。約束の場所なんて、少女チックなセンチメンタリズムの胸に秘めながら。
 
 雲雀ヶ崎? の展望台。
 思い出の中の会話。白く流れる髪の下に琥珀色の瞳を輝かせる女の子は彼のことを「洋くん」と呼んだ。北の大地が生んだスーパースターの顔が頭をよぎったが、力いっぱい振り払う。確かに相当なロマンチストであるけれど、あの天然パーマでは、こう、なんというかイメージというものが……。
 女の子は「あたしのほうがお姉さん」と言った。星には興味深々といった様子、それなのに理科の授業で必ず習うであろう星の知識がないということは、病気などで学校にあまり通っていないということなのか。
「怖くないよ、うん、怖くない」
 このフレーズ、心地よさを感じる。
 
 僕に恋をしていたわけでもないだろうに。
 そう独白している洋(まだ慣れない。俺の中で、あの天パの存在は大きすぎる……)。けれども、彼女の意識はどうだっただろうか。子供っぽいと評している洋だったが、女性の方が精神的な成長は早く、大人びてくる。ましてや年上なのだ。彼女の態度は、いわゆる「意識している」ものでは。
 
 雲雀ヶ崎学園。坂の中腹にあるようだ。そういえば私の母校も山の上にあった。夏になるとスズメバチが飛び交う素晴らしいスポットだ。作中でも7月なので、虫が気になる季節ではある。
 
 ただの展望台にフェンスをつけてまで立ち入り禁止措置をとるか? 一部が崩れて危険な状態であるから? けれども迂回して入った先の展望台は、記憶の中のそれと変わっていなかった。だから彼女も変わらずそこで待っていた。変わっていたのは、彼女の衣装、そして物騒な持ち物だけだった。
 
 日付切り換え。
 洋の妹で、「千波」。大海原に千の波が白くさざめいている。漠然と、いい名前だと思った。髪留め、髪型、パジャマと、これでもかとうさぎ押し。あと音楽が某日曜アニメ。そしてコントが始まる。そのままHTBに行ってくれ。
さらっとしたテンションで母親が他界しており、父が不在であることが明かされる。叔母との3人暮らしとなるわけか。
 千波の怒るポイント、自分が洋の面倒を見ようとしているのか。
 しかしこの妹、お兄ちゃんに構ってほしいのと、迷惑かけちゃいけないのと、自分がしっかりしなくちゃいけないのが8:1:1くらいで混ざってる感じ、で取り扱ってもいいんだよね? 冒頭のしっとりした語り口から、唐突にコメディ調になって多少混乱する。まあ、この兄妹の関係性が常にこういう調子、ということなのかな。トラブルメーカー&構ってほしい千波が洋のもとに駆けていって、そこに厳しめのツッコミを入れつつもなんだかんだで妹が可愛くて構ってあげる洋という構図。こういう構図を、個別シナリオでどうやって壊しにいくか、もしくは壊さずに進めるのか。個別……あるよね?
 
 ──死神。
「あなたがそれで納得するなら、それでいいわ」
 では、実際のところ、メアと名乗る少女は何者なのか。
 見た目に反して大人びているメア。
 見た目に反して子供っぽい、思い出の彼女。
 どちらも、洋にとっての印象ではあるが。
「わたしは、人の悪夢を刈る死神だから」
 メアがしたという”洋の悪夢を刈る”約束。思い出の女の子と約束したとか? 自分との思い出を消して欲しいとか。ああ、そういうのは、本当に効くので出来ればやめてもらいたい……。
 
 お隣の蒼さん。今までの登場人物の中で、見た目がダントツトップであることを確認。
 そして夕食後、再度夢見坂をのぼる洋。諦めが悪い、けれども好感は持てる。
 
「聞くべきかどうか迷ったときは、聞かないべきよ」
 そのような質問は、相手の心のうちを覗いてしまう恐れがある。もしそうなってしまった時、そこには責任が生まれる。触れた心に寄り添う責任が生まれる。
そんな意味合いのことを饒舌に語るメア。一瞬見せた感情の起伏。メアという人格を構成する要素の一つなのか。
 
 時間がなくなったので今日はここまで。