こもも、義理堅い性格で非常に好印象。冷静さを欠くとダメになるけれど、基本的には正しさの体現。戦う相手には情報を開示し、現状を把握させ、最大限の力を発揮させる。そうしなければ、相手の力量を把握することなんてできないし、そんな状態の相手に勝ったからといって、意味がない。上に立つ資格のある人格だと思う。
こももの性格を知り、ありがたく感じる洋だけれど、きっと「試されている」ことも感じ取っているだろう。自分のことを、本当に生徒会に誘うに足る人材かどうかを見極めるために。この危機的状況をどうやって切り抜けるかは、その判断材料になるほどに厳しいものである。
そして洋が、今の自分の一番の目的を「天クルの存続」と意識していること。この変化──本人に自覚があるのかはわからないが──は、メアにとって良い傾向なんだろう。
夜の校舎の屋上にて。
屋上、星空、望遠鏡に衣鈴。儚くも美しい、一枚の絵画のような光景。けれど洋の目には、懐かしさと共に寂しさも感じられたはずなんだ。
そして自宅にて千波との会話。
「お前を見習って、俺も本気になったんだよ」
「……」
「頼む。俺に協力してくれないか」
「……えへ」
うあ~! 千波すごい嬉しそうだ! お兄ちゃんが衣鈴と友達になろうと頑張っているのが嬉しいのと、お兄ちゃんが自分の行動を信頼してわかってくれているのが嬉しいのと、お兄ちゃんが自分を頼ってくれるのが嬉しいのとがごちゃまぜになって、絶対ふにゃふにゃな顔になってるよ!
衣鈴とメアが天クルに入部。
メアが「死神は」って語り方をする時って、”死神のわたしは~しなくちゃいけない(しちゃいけない)”というニュアンスを持っていたと思うんだけれど、今回の「雲雀ヶ崎の星空が好き」という言葉には、そんな雰囲気は感じなくて。それは、メアが一歩近づいたということなんじゃないかと。
衣鈴とメア。
拒絶している者と、迷っている者、という風にこれまで対比されていた二人。その解決として、洋たちが衣鈴の手を掴んで招き入れたことと、メアがおっかなびっくり洋に手を差し出したこと。うん、うん。美しい流れだと思う。欲を言えば、もうちょっとメアに対する描写が多かったら、とも思った。メア可愛い、パカパカになる。