はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

ラブピカルポッピー続き

 まだ全然個別ルートまで入ってないんすけど、とにかく涼花が可愛い......!
 あのですね、涼花がクレープを作ってプレゼントしてくれるシーンがあるんですよ。お店で綾子さんに教えてもらいながらこっそり練習してた成果ってことで。特に感動させるようなシーンではないんですが、俺どういうわけか涙腺ゆるんじゃって。
 そのクレープ作りって、涼花視点では『自分もしっかり新生活に馴染んでいる事を兄にアピールするため』に頑張ってることで、俺はわかってるんですが、哲也は知らないんですよ。当然、涼花も余計な事は言わないですし。ただ、『初めてお店に出すクレープをお兄ちゃんに食べてもらいたかった』ってことで、美味しく食べてもらって喜んでて。お互いが、お互いの事を気持ちのいい距離感で想いあっているのが見ていてわかるんすよね。
 あと、この兄妹......ところどころで「やっぱ兄妹だわ」って言われるように性格が似てるんですけど、涼花視点と哲也視点があることでより一層、この兄妹が好きになりますね。全く違う場面なんですけど、2人とも嘘が下手くそなとことか。そのくせ、誰かを守るためにアイコンタクトで通じ合って、とっさに嘘をつくとことか。見ていて愛おしくなる。
 
 そして、今回これが言いたくて書いてるんですけど、さっき読んだ場面で涼花が哲也の部屋にやって来たんです。寮の中は試験勉強でピリピリしてて、人の雰囲気に敏感な涼花はどこに行っても集中できなくて、哲也の管理人室に逃げ込んできたわけです。お兄ちゃんの空気は緩くていい、なんて言って。特にそれ以上の会話もなく、そのままさらっと終わるシーンなんですが、めっちゃ良くないですか!
 きっと、前のアパートでもそんな感じで、狭いワンルームで試験勉強してたんだと思います。お互いに何か喋るわけでもなく、哲也は漫画とかラノベとかを読んでいて、涼花は机で勉強してるんですよ。特に喋らないけど、相手がそこにいるというだけでどこか安心できる。んで、哲也がコーヒーとか淹れる際に「涼花も何か飲むか?」「ん、いつものお願いできるかな?」「わかった」とか言って、コーヒーに角砂糖1つとミルクを少し入れて、「ほい、いつもの」「ありがとう、お兄ちゃん」なんて。そんな様子がありありと思い浮かびます。きっと、場所は変わっても同じように過ごしたんじゃないかなー、とか考えると幸せな気分になりますね。
 そんなわけで、今日はここまで。

ラブピカルポッピーはじめました

 ある日、仕事帰りの電車でふと思ったんですよ。「最近、可愛い女の子たちとただイチャイチャするだけのゲームやってないなぁ」って。
 異世界に行ったりとか、異能力で戦ったりとか、壮大な使命を抱えていたりとか、世界を救ったりとか......創作的にビートシートをガッツリ活用したような、非日常に巻き込まれた主人公が仲間と協力しながら挫折と成長により真の目的を果たす! みたいなのが最近多くて──確かにそういうのもメリハリが効いてて面白いけど、そればっかりだと疲れるじゃないっすか。癒しが欲しくなったのです。かといって、のんびりおじさんスローライフで、ヒロイン的な女の子はいても1人か2人、あとはペット的なモンスターと共に--みたいなヤツは違うんですよ。あれはなんつーか...仕事に行く電車の中で、もしくは仕事中の休憩時間なんかに、死んだような目で読むのが一番いいじゃないっすか。労力ゼロで現実逃避出来て、尾も引かないし、胃もたれもしない。例えるなら、ゼロカロリーの食品やノンアルコールのビールみたいな感じ。少なくとも金曜の夜や、休日にリラックスして読むモンじゃない。
 俺は、たくさんの可愛い女の子に囲まれて、特に深刻な課題もなくわちゃわちゃ楽しい共通ルートがあって、個別ルートもそんなに深刻にならずになんやかんやイチャイチャしてハッピーエンドで終わる、そんなゲームがやりたいんだよ!!
 そんなわけで、帰宅して早々にSwitch2を起動して良さげなゲームをさがしていたところ、ラブピカルポッピーにたどり着いたんです。......そう、Switch版です。いやー、最近まともにパソコンの前に座る時間が取りづらくて。Switchだったらイヤホンをアンビエントモードにして、リビングで寝転んでプレイできるので快適っすよ。とりあえずチャプター1が終わったあたりまで進んだので、雑感をまとめときます。誰かPC版でプレイして、エロ方面の内容教えてください。絶対、希未は自室でのオナニーシーンありますから!
 
 ちなみにあらすじは、こんな感じです。Story | 『ラブピカルポッピー!』2024年4月26日(金)発売 - SMEE
 
 んじゃ、思いついた順に、まずは涼花から。
 希未からじゃねーのかよっ、と自分でも思いますが、妹だから、しょーがないよね。
 涼花は、まーよく出来た妹です。兄妹二人暮らしで、お兄ちゃんは妹である自分のため、バイトに家事にと頑張ってくれていた。涼花は賢いから、自分の役目は兄の手伝いをすることじゃなくて、兄の気持ちを汲んで学校生活を大切に過ごしてきたんだと思います。その結果が、学年主席という成績で。けれど特別に仲の良い親友がいなかったのは、兄と過ごす時間も大切にしたかったのと、心のどこかでは負い目があったのかと考えたり。邪推だけど。
 でもまあ、学生生活をあまり満喫できなかった兄にはいい恋人を見つけて幸せになって欲しい、とか思ってそうなので、ストーリーが進んで誰かの個別ルートに入りそうになったら応援とかしそうな気がする。
 そんな涼花だけど、今まで自分だけに向けられていた愛情が、哲也が寮母という立ち位置になって皆に注がれるようになって、これからどんな反応を示すのかは楽しみ。今のところ、『自分はもう一人前だという姿を見せて安心させたい』という想いが出ているけれど、そうなった時のさみしさに、どう向き合うんだろうか。
 あと、気のせいかな? 「お兄ちゃん」呼びのときと、「兄さん」呼びのときがある気がするんだけど......。空目したか? Switch版だと確認するのが面倒なので出来てないっす。すごい重要なポイントなのに。
 
 次に、希未。
 幼少期に、引っ込み思案だった性格を変えるきっかけをもらったことから、哲也を意識している女の子。運命の再会に盛りあがり、頑張ってアピールするも空回りしてしまうようなタイプ。
 希未にとって哲也は、自分の小さな世界を広げてくれたヒーローで、けれどそれは特別な力があったからじゃない。だから自分も、彼と同じように変われたのだと感謝していた。そりゃ、そんな男の子と突然再会したら意識しちゃうよなぁー。
 このゲーム、途中でヒロイン視点を見ることができるシステムがあるんすけど、寮の中の自室なんですよ。そこで希未は色々とアピールの作戦(妄想)を考えたりしてるわけですが......こんなの絶対オナニーのために作られたシステムじゃないですか! 想いが募った希未は絶対オナニーをする! わりかし激しめのやつを!! あー、こんなことならPC版買えば良かった......
 
 そんな希未先生と、なんとなくセットで珠ちゃん。
 いや、希未が早起きして哲也にアピールしようとする際には、よく珠ちゃんが関わってるからってだけなんですがね。
 珠ちゃんは祖父譲りの武芸の腕を持つちっちゃい女の子で、品行方正、寮の皆からも一目置かれることから、寮長となっている。ちっちゃい女の子です。
 文武両道って書こうと思ったんですが、珠ちゃんが成績優秀ってお話は今のところ出てきてなくて、案外勉強はそこそこ、とかだったら面白いかもしれないですね。
 お兄ちゃんへの憧れ、というか誰かに甘えたことがなさそうな感じなので、付き合ったらダダ甘になりそう。「涼花さんばかりずるいです。哲也さんは今日いちにち、私だけのお兄ちゃんでいてください」とか平気で言いそう。そんで後で自己嫌悪して、よくわかってない涼花に土下座しそう。「涼花さん! 何も聞かずにどうか!」とか言って、めちゃくちゃ涼花を困らせてそう。そういうポンコツなところが見れたら嬉しいなぁ。
 
 そんで、次はみうちゃ。
 インフルエンサーである自分にまったく靡かない哲也を、どうにかして意識させようとしている女の子。おもしれー女、とでも言えばいいのか、見ていて楽しいキャラだったりする。
 哲也に認めさせようとするのは、初対面の悪印象もあるだろうけれど、『登録者10万人』という現状を中途半端に感じているから、とかもありそうだと考えてみたり。中間どころで頭打ちになっているところに、自分をまったく知らない男性が現れた。この男を認めさせることが、自分がもう一つ上のステージへ進むための試練だ──とか思ってそう。
 今のところ、哲也の上に立ちたいという感情だけなんだけど、これはゆくゆくは『並び立ちたい』という気持ちになっていきそうな気がする。そうなったら大変好ましい。
 
 最後は、たんぽぽ。
 この娘はまだ全然読めないなぁ。おっとりギャルみたいな見た目してるけど、内面はどうなんだろう。みんなと楽しく過ごしてるこの生活がずっと続けばいいのに、とか考えてるのか。もしくは、まったくの推論になるけど、大切な夢というか目標みたいなのがあって、けれどそれは自分だけが認識していればいい、みたいな感じなのかな。人に迷惑はかけずに、自分のペースで進んでいくだけだと達観しているのかも。
 
 そんな感じで、先が楽しみなゲームっすね。誰のルートから進めようかな!
 (ここまで書いてて、もしかしたら綾子さんってヒロインなのか? だとしたら、本当にすまない……)

冬の日のこと。

 夜、リビングの椅子に座って北村薫の『雪月花』を読んでいた。先日の仕事帰り、電車の待ち時間に駅の書店で見つけたものだ。北村薫の作品は、見かけたものはすべて買うようにしている。人は誰しも自分の感性にピタリと当てはまるような文章を持っており、俺の場合は北村薫のそれがとても自然に心に染み入る。満たされる。
 ふと、本から目をあげると、キッチンカウンターの上にある花瓶の水仙が目に入った。先日、嫁が買ってきたものだ。そして、その隣には香梅堂の『鈴焼き』という焼き菓子の袋が置かれていた。こちらは先日、義母さんからいただいた旅行土産である。
 なんとはなしに水仙と鈴焼きをぼーっと眺めていると、ふと、ねこねこソフトのことを思い出した。
 
 ねこねこソフトの『ナルキッソス』というゲームをプレイしたのは、確か大学生の初めの頃だったから、かれこれ15年ほど前になる。当時あまたのエロゲブランドが興隆する中、ねこねこソフトは中堅どころの中でも異彩を放っていたように思う。嫌儲、とまではいかないが利益度外視のスタンスで、『ナルキッソス』にいたっては代表の個人ホームページで無料ダウンロードできるゲームだった。当然フルプライスほどのボリュームではないが、シナリオ、CG、BGM、そして声優に至るまでプロによるもので、もはや同人作品とはいえないクオリティにも関わらず、である。
 ナルキッソスは、余命幾ばくかの男女がホスピスを抜け出し、軽犯罪をおかしながら、車で西へ、西へと進んでいく物語だ。旅路の果て、冬の淡路島では水仙が咲いており、女はそこで最期をむかえる。白く冷たい雪が降る中、白く美しい水仙が咲く場所で、海に向かって歩いていく──その足が止まることはなかった。短い、それこそ2時間もあれば読み終えてしまうほどの物語。だが、こんなにも記憶に残っている。
 
 水仙の隣に置かれた鈴焼きは、まるで供えられているかのように見えた。袋を開けてひとつ取り出し口に運ぶ。ふわりとした食感と共にやさしい甘さが口の中に広がる。
 窓の外は、雪が降っている。

映画『きみの色』で一番美しいと思ったシーン。

 昨日の夜、『きみの色』を観てきた。
 色々書こうと思っていることはあった(例えばトツ子にとっての美=神の変化とか)んだけど、ただ一言、

「聖夜の教会のシーン、美しすぎるだろ……」

に俺の感想のすべては集約されてしまうんじゃないか。そう思ってしまうぐらい、あのシーンは素晴らしかった。


 抱え込んでいる悩みを打ち明けることができる相手がいない。そんな3人の高校生、トツ子、きみ、ルイが出会い、惹かれ、バンドを組み、共に過ごすようになって。けれど、仲が深まっても、打ち明けることはできない。トツ子は「人の色が視える」という特殊性から、きみは作り上げられた期待から、ルイは離島唯一の医者の跡取りという立場から。

 この映画は、高校生の心の機微、それだけがひたすら丁寧に描かれているわけで、びっくりすることに「衝突」や「悪意」すら、夾雑物として取り除かれている。「じゃあどうやってカタルシスを生み出すのか」に対する答えが、あのシーンだ。そしてそれが、「変えられないものを受け入れる心の平穏、変えるべきものを変える勇気、そして、変えられないものと変えるべきものを見分ける知恵」の答えでもある。


 しんしんと雪が降り積もる聖夜。ロウソクの灯りがゆらゆらと照らす教会の中。世界はもうすっかり、トツ子たちだけになってしまったようで。3人は初めて、自分の悩みを告白する。ここで面白いのが、その告白は他の2人からの助言を求めるようなものでは無い、ということ。口にした言葉は、決意表明というか、もう既に答えを得ている「悩みだったもの」を相手に聞いてもらうだけ、という雰囲気を孕んでいたように思う。そしてラジオから流れるジゼルをきっかけに、トツ子が踊り、きみとルイが奏でる。

 美しい……。もう、このシーンが撮りたいからこの映画を作ったんじゃないのかっていうぐらい完璧すぎる。あの瞬間、聖夜の教会はまぎれもなく3人のためだけに存在していた。


 これから先も、3人は様々な世界の波に囚われることがあるだろう。けれど、あの聖夜の教会の記憶はいつまでも心の中に灯っていて。それはさながら灯台のように、自分の居場所を教えてくれるはずだ。

三回忌のこと。里村茜のこと。

 昨日、祖父の三回忌があった。母親から事前に連絡があった時、「あれ? もうじいちゃんが亡くなってから3年も経ったのか?」と思ったが、なんということはない、数え年で考えるため2年で執り行われるものらしい。
 それほど大掛かりでもなく、実家に集まった親戚も近しいところだけで合計10人にも満たないぐらい。あまり効きがよくないエアコンがごうごうと音を立てるなか、正面に見えるつるっとした後頭部に汗が流れていくのを眺めながら、念仏を唱えた。1時間にも満たなかったと思う。坊さんは用意した麦茶を飲み終えると、祥月命日はいつもより時間をかけて故人のことを皆さんでお話しください、というようなことを言い帰っていった。

 法事は、今を生きている人たちのためのもの──まあ、よく耳にするような言葉だろう。
 有機体がその活動を停止した時、それはまぎれもなく終わりで、行き止まりで、その先は無い……はずだ。死んだ人間本人にとって、死以降の世界を観測することはできない。せいぜいできることといえば、死を迎えるまでの時間に、死後の世界を憂うことぐらい。所謂、終活ってやつだ。
 いつだって、なんだって、生きていかなくては、歩んで行かなくてはならないのは残された側だ。自分のなかで気持ちの整理をつけたり、誰かと思い出話をすることで心の奥に蓄積された滓を発散させたり。そうやってなんとか生きていくための術のひとつが、法事なのだろう。
 ひとつの死によって、世界の質量は減っているのか増えているのか、はたまた全く変わっていないのか。よくわからない。



 そんなことを考えていたら、里村茜のことが頭をよぎった。ONEリメイク、里村のシナリオだけ読んだんすよ。
 その人のために何かをしてあげたい、笑っていてほしい、そのために何ができるのかついつい考えてしまう。そういう気持ちをして、愛だというのであれば、俺は里村のことを愛している。……いや、愛していた。だって、里村は浩平に救われたからさ。浩平の隣で、陽の光の下で、笑っているから。いいじゃん、それで。
 12月の雨の下、ピンク色の子どもっぽい傘を差したソイツは、無造作に雑草が生い茂る空き地にひとり佇んでいた。
 無口で、不愛想で、感情が読みづらい。けれど、中空を眺めるグリーンの瞳はどこか、寂しそうで。どういうわけか、無性に彼女のことが気になった。雨が降っていると、ついつい考えてしまう。彼女はまた、あそこにいるのだろうか? あの細い体で、くしゃみをしながら、ただひとりで。
 読み進めていくほど、里村のいろいろな側面が見えてきた。料理が好きなこと。昼休み、中庭に座って膝のうえにちょこんと載せている可愛らしい弁当箱の中身は、彼女が朝から用意したものだ。そんなわけだからてっきり寝起きがいいものと思っていたら、実は朝が弱いこと。弁当の下ごしらえはできるだけ前日の夜に済ませているらしい。布団から身体を起こし、そのまま寝ぼけ眼でぼーっとしている里村の姿を見てみたい。できることなら、パジャマ姿の里村を抱きしめて、首元に顔を埋めて彼女の香りを味わいたい。存在を感じたい。里村は、どうしても『薄幸の美少女』という印象があるから線が細くて力強く抱きしめたら壊れてしまうようなイメージで見られがちだろうけれど、そんなことはないのだ。以外に肉付きもよくて、柔らかな感触を感じるだろう。きっとそうだ。
 話がそれた……。あと、実は人の話をしっかり聞いているということもわかった。一見すると無口だと感じるのは、相手の言葉をしっかりと咀嚼して考えているからなのだろう。自分をしっかりと持っていること。「嫌です」という意思表示をはじめ、自分の芯がしっかりしていて、それに従って行動しているみたいに。なんというか、里村に「嫌です」って言われても、突き放されたという感覚が全くないのだ。どうしてだろう。嫌味がない、ということがストレートに伝わってくるからだろうか? 彼女は単なる意思表明をしているだけで相手に対して嫌悪があるわけではない、という。浩平が、「一度くらいは、茜の慌てた顔を見てみたい」と言って、名状しがたい味のジュースを飲ませたりするんだけど、その気持ちはとてもよくわかる。読んでいて、「そうだよな、俺も見てみたいわ」と強く頷いてしまった。驚いた顔や、焦った顔、怒った顔だって、見てみたい。結局、その試みは失敗するんだけれど。
 そして、最後に。諦めが悪いということ──。
 雨の日は必ず、あの空き地にただひとり佇んでいるのは、幼いころ唐突に居なくなってしまった──えいえんに囚われた──幼なじみの男の子を待っているのだ。不可思議なことに、存在と同様に皆の記憶からも消えてしまった幼なじみを。なぜか自分だけが覚えている幼なじみを。きっと、好きだった男の子を。
 その事実を知ったときの、浩平と俺のショックは、例えようもない。ふたりしてものの見事にフラれてしまった、それも間接的に。想いを伝える前に、伝えるタイミングも失ってしまった。自分の好きな女の子は、けれど居なくなってしまった存在をただひたすらに待ち続けているのだ。浩平は、間違いなくこのとき、自分が里村に恋をしていたことを悟ったはずだ。胸をえぐられるような痛みは、やり場のないやるせなさは、それでもいっこうに収まらない里村への気持ちは、恋だということに。

 

 ここで、冒頭の話につながる。
 世界から失われてしまった存在、それを想い続けるということ。死別だったら、まだ救いがあったのかもしれない。誰でも知っている。死んだ人間が生き返ることはない。そんな道理が、絶対的な断絶となって立ちはだかるから。残された側は、どれだけ時間がかかろうとも、どうにかしてその世界と折り合いをつけなければならない。人ひとり分の思い出という質量を抱えて生きていく、というのも、ひとつの生き方だ。
 けれど、里村の場合はそうはいかない。彼女の幼なじみは、死んでしまったわけではないのだ。不可思議に、不条理に、唐突に、世界から消えてしまった。だから、もしかしから突然帰ってきてくれるかもしれない。そして、さらに里村を追い詰めているのが『幼なじみのことを覚えているのが自分だけ』だということ。もし、もしも、自分も彼のことを忘れてしまったら、彼がこの世界に生きていたという証は、何一つなくなってしまう。
 『そうしたらきっと、彼が戻ってくることは二度とないだろう』
 なんの根拠もない理屈。けれど、きっと里村はそんな風に考えていたのだと思う。
 人ひとり分の存在の証明。
 それが、里村が背負い込んだ、誰にも打ち明けることのできない秘密だった。あと、どれくらい待てばいいのだろうか。もう、自分のことなど忘れて、彼はどこか遠いところに行ってしまったのではないか。そんな思いを抱えながらも、自分だけがまだ彼を覚えている、という事実がどうしようもなく里村を縛り付けて離さなかった。諦めが悪ければ悪いほど、八方ふさがりだ。
「お前は……ふられたんだ」
 そんな台詞を言ってくれる、折原浩平がいなければ──。

 

 断言できる。
 浩平以外に、そんなことを里村に告げることができる男はいない。少なくとも俺には絶対に無理だ。俺には、里村が傷つかないような体のいい上っ面な言葉で彼女を慰め、あわよくば彼女が自分でそのことを理解してくれるのを待つことしかできない。俺は、この場面でもう一度、里村にふられている。けれど、
「……ありがとう」
 そう言いながら、涙を流した時点で、里村は完全に救われた。だから、いいんだ。その涙を流させたのが俺じゃなかったとしても、よかった。

 それ以降のことを語るとしたら、この物語の中でも屈指の美しい場面である、「だから、あなたのこと忘れます。……さようなら。本当に好きだった人」のことになるだろう。けれど、あのシーンは、あの背中合わせのシーンは、浩平と里村が積み上げてきた物語の頂上であって。そのことを考えたら当然の帰結であって。誤解なきよう語っておくと、当然あの場面をむかえるまでに里村にとって耐えがたい葛藤があったはずだ。一度は解き放たれたえいえんの呪縛が、ふたたび歩み寄ってきている。また自分だけが抱え込まないといけないのか。だけど、自分の鎖を断ち切ってくれたこの人を忘れることなんてできるわけがない。そんな思考がとめどなく溢れて渦巻いていたに決まっている。そして絞り出された言葉が、あれなのだ。ささらない訳がない。
 けれど、俺が一番好きなシーンは間違いなく上の「……ありがとう」の部分だった。たったひとことの浩平の言葉で、自分を縛り付けていた鎖が断ち切られたことを感じた里村だからこそ、浩平との離別と対峙することができた。そして、最終的に浩平と手を繋ぎ──「恥ずかしいから嫌です」──、誕生日プレゼントを買いに歩んでいくことができたのだと。
 今日もどこかの夏空の下、里村は笑っている。

『ハミダシクリエイティブ』プレイ日記。その2

 あすみ可愛いいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!
 いや、引きこもりでコンビニぐらいでしか人と会話しない人間が、肉まん譲ってもらったからといってわざわざ異性を追いかけてまでお礼を言って一緒に公園のベンチに座って半分こなんてするわけないだろ……とかいうツッコミなんかどうでもいいぐらい可愛い! 色素の薄い青色のような銀髪、150cmにも達していないように見える背丈、華奢な肩幅、ぼそぼそとした口調、身体の前に手を持っていく癖、相手の気持ちを考えることができる優しさ、引っ込み事案だが、積極的な一面もある。なんだろう、一部のプレイヤー(オブラート3重くらいの優しさ)の好みをヴォーパル武器でバフ盛り盛りクリティカルですわ、みたいな女の子。そして、不登校である、と。相手の気持ちを考えすぎてしまうとか、なんらかのトラウマで人と面と向かって対話することが苦手とか、それなりの背景があるんだろう。
 
 妃愛、さっそく「ばーかばーか」って言ってきた! これは「ざーこざーこ♡」も時間の問題だな! そして朝から制服姿を見てもらいたくて兄の部屋にくる妹は可愛い。
 
 妃愛と華乃のファーストコンタクト。
 いやー、華乃いいなぁ。学校の廊下では落ち着かなくて上手く喋れてないのに、生徒会室に入って主人公と二人になった途端、安心したように軽口を言う。この内弁慶さがいい! SにもMにもなりうる性格してる。きっとあがり症で、しっかり準備したことでも本番でパニックになって実力の半分も出せないんじゃないかな。あと、緊張するとすごく汗っかきになる、とかだったらいいなぁ。んで汗の臭いがしないかすごく気にしてて制汗スプレーとかウェットティッシュを常備してるとさらに良い。
 あと妃愛が外では『お兄ちゃん』呼びになってる。これがやりたかったのか。なるほどわかる。猫かぶり系の妹、スバラシイ。
 
 華乃が推しイラストレーターと判明してからのやり取り、お腹にマジックペンでイラスト描くところに癖が出てるなあ。そして3人であすみを勧誘に行く流れに。あすみんにデレデレの主人公に対して、自分たちと対応が違うと怒る妃愛と華乃。わかる、わかるぞ主人公(そっちか)。猫かぶり系妹の妃愛と、即落ち2コマ系の華乃(本日の最悪な例え)とは、根本的に扱いが違うんだよ。
 あー、でも妃愛。冗談めかした口調で「わたしの制服姿は褒めてくれなかったのに」って言ってるけど、これはけっこう落ち込んでるんじゃないかな。わざとらしいお姉さま口調でごまかしてるけどさ。久しぶりに制服着たんだよな、しかも『制服が可愛いから』という理由で少なくとも2人はその学校を選ぶような、そんな制服を。そりゃあお兄ちゃんに「可愛い」って言ってもらいたいだろ……。
 
 おっ、兄妹過去回想きた。
 両親が亡くなっている。兄は妹をなんとしても守っていくと決めた。妹の稼ぎで生きていける状態だが、妹は兄がいてくれたから頑張ってこれた。親戚筋はひとりを除き絶縁状態。なるほど、わかった。
 
 主人公の言動や行動にブレが感じられて、あー気持ち悪いなぁ、このシナリオライターを信頼することができるのかなぁ、という疑心がこみ上げてきてたけど、ここまで読んでようやく向き合い方がわかってきた。主人公のことは『妹第一の行動をとるけれど、ちょこちょこノンデリオタクのような失敗をする奴』、くらいにふわっと把握しておくのがちょうどいい。ヒロインの可愛さを惹きだすために必要な役割をはたしている、と考えよう。
 幸い、ヒロインに対してブレは感じられないので、このまま読んでいけそう。

『ハミダシクリエイティブ』プレイ日記。その1

 エロゲがやりてええええぇぇえぇぇぇ! と自分の中の欲求が爆発したのでFANZAで購入した。なお、セール中などでは一切ないため、ガッツリ定価。八千八百円也。たっっっっっっっっっっっか!!
 ……いや、いいんだ。俺はただ、エロゲがプレイしたいだけなんだ。右頬をぶたれたら左頬もさしだす所存なんだ。だから、いくらでも払うから面白いエロゲを読ませてくれ。
 
 冒頭。
 いきなりスマホゲーのガチャで沼っている主人公から始まる。そういや俺も今日、ブルアカの3周年ガチャで沼ったよ。70連で星3がひとり。それもピックアップされてるアコじゃなかったよ。でも運が悪すぎるという主人公よりはマシだな。と思ってたら金髪巨乳の妹がよちよちしてくれてる。しかもガチャ代を出してもらってる。全然マシじゃなかった。というか『妃愛』ってなんて読むんだ? あっ、『ひより』らしい。うん読めねえ! ちなみに兄の呼称は『お兄』だった。とくに興奮はしない。個人的には『兄さん』、『お兄ちゃん』あたりがいいよね。まーすげえ甘やかしてくれてる。お兄ちゃんをダメにするタイプの妹なのかもしれない。でも、セックスのときは「お兄のざーこ♡ ざこチンポ♡ 妹マンコでイッちゃえ♡」とか平気で言いそうな顔してるんだよなぁ(最悪な第一印象)。なんだろう、メスガキが成長して落ち着いたらこんな感じになる、みたいな。甘やかしからのメスガキ、通称『あまメス』という新ジャンルを開拓してくれるのかもしれない。
 んで、どうやら妃愛(変換できない)は超人気声優らしい。妹に「あのキャラの声で言って」とかいう兄はナチュラルに気持ち悪い。どうせセックスの時も頼むんだろ。ふざけるんじゃないよ! せっかくの素の妹を堪能しろよ!
 あと妃愛(IMEユーザー辞書に登録した)、ほっぺたすげえ柔らかそう。
 
 そんなこんなで学校へ。妹は一日収録とのこと。どうでもいいがスマホゲーとかVtuberとかさらっと出てくると、最近のエロゲだなあと感じる。
 カーストラノベみたいな茶々が入りつつ、くっそ寒いノリで主人公が生徒会長になってしまい、不登校の生徒を集めて生徒会を結成するということになった。わからないが、そういうことだ。舞台設定の組み立てかた雑すぎないか?
 前向きに考えるなら、いっそ清々しさまで感じる。なるほど、クリエイティブな仕事をしているがゆえに不登校、というヒロインたちと関係性をもつことが大事なのであって、そこまでの流れはプレイヤーが気にするところでは無い、と。
 で、二人目のヒロイン、華乃(やった、変換できる)に会いにいく。木刀を構えながらたこ焼きを食べているというイベントCGから始まるが、きっとヒロインなのだろう。どうやらイラストレーターらしい。……ん? この娘、あれか? 幼なじみ……いや、違うな。子供の頃からの付き合い、まではいかない。昔馴染み、ぐらいの距離感か。いいねぇ! 昔のエピソードを覚えてたり忘れていたり拗らせていたりすると最高なのでよろしくお願いします。そういうセピア色の空気の中で深呼吸したい。あと、生徒会への勧誘のために妹の身バレをする兄、クズである。
 
 んなわけで今日はここまで。あー、1日1時間もプレイ時間とれないけど、ぼちぼちやっていけたらいいなぁ。