はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

まいてつ日記。オープニングまで。

 ということで、『まいてつ』をプレイし始めました。
 
 しっかし凄いですね、このゲーム! まず驚いたのがシステム周りの快適さ。一度読んだ部分は、小節ごとに選べて再読できるうえ、その小節内の部分選択もシークバーで可能という徹底ぶり。あと、物語のテーマの関係から鉄道用語が本文中に頻出するため、用語集があるんですが、こいつをキャラが読み上げてくれるんですよ。さらに、用語によっては説明文の中にキャラ同士の会話がある。俺は鉄道関係の知識量が乏しく、基本的には出てきたワードはすべて見るようにしているんですが、まったく退屈しない。
 
 続いてキャラクターについて。造形、E-mote、声がばっちり噛み合っている。日々姫の「そいたら、にぃに──んんっ──ということは、兄さん」っていう、地の隈元弁を標準語に直す台詞一つをとっても、表情、仕草、声色……ここまで出来るものなんですね。そして、ここまでするからこそ、生きてくるんですね……。しばらく会っていなかった義兄が、その本質がまったく変わっていないことに安堵する。自分の成果や善行を人に見られることを恥ずかしがる。自己を犠牲にするかのような義兄の行動に誰より憤る。そんな日々姫の姿から見えてくるのは、『優しい人間が馬鹿をみること』に対する恐れ……みたいなもので。世間の冷たさに立ち向かうためには、強くあらねばならない。そして過度な優しさは、他人につけ込まれ得る弱さであると。そんな『壁』が見えるような気がします。もうめんどくさい匂いがぷんぷんですね! 楽しみです!
 
 あとですね、文章との相性が抜群でした。こればっかりは好みの問題が強いですが、ほんとしっくり来るんですよ。エロゲの文章ということならば『トノちゃんと並ぶほど』、と言うことになんら躊躇いを感じない自分がいて、驚きを感じるくらいには。……なんというか、我ながら随分と時間がかかったなぁ、とか思ったりします。それはさておき……。
 自身を『道具であり、物である』と誇らしく語るハチロク。その言葉に、というわけではないけれど、ハチロクへの共感を持つ双鉄は、明確な歪みを持っているはずです。けれどその歪みを、ほとんど気にならないくらいに演出する構成、筆致。ほんとうに、素晴らしいです。
 
 ようやくオープニングまで進んだところですが、いったいどれだけの熱量が共有できたら、こんなゲームを創ることができるんだろう。凄まじいな……。