はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

はしりがき。

最近、妹好き界隈で話題になっているという、妹せいかつモノクロームなんちゃらをプレイしてる。とりあえず100日越えたあたりまで。これはやばいゲームだ。人によっては劇薬になりかねない。突然始まった妹との同棲生活、代わり映えのしない毎日の中で徐々に変化していく態度、緩やかに続いていく日常。それは極小化された世界だ。極端な事を言えば、このゲームに無限のリソースがあり、無限の行動、反応が備わっていれば、それはもう現実と言ってもいいだろう。俺達(という言葉をあえて使おう)が求めていた、妹と過ごす生活。手に入れることができなかったからこそ渇望し続けたそれが、収縮されて形を成した、それがこのゲームだ。
このゲームの設定上、同棲何日目まで続くのかはわからない。100日が経過した時点であるエンディングは流れたが、その後も生活を続けることができている。終わらない日常。エロゲの共通ルートが好きだ、という人がいる。俺もその一人だ。求めているのは劇的なドラマではなく、女の子がいる日常なのだと。日常が輝くためには多少のスパイスが必要であり、その点で、共通ルートでは比較的軽微な課題が設定され、主人公達は協力してそれを解決する。その過程で親密になったり、相手の意外な一面が見えたりもする。けれどそれは、あくまで日常に戻れる範囲のものだ。特定の誰かに傾倒するわけではなく、あくまで仲のいい集団としての立ち位置は崩れない。このゲームでも、妹といろいろな行為をするわけだが、それでも『彼女』とか『恋人』というワードは兄妹の会話に出てこない。……書いていて最低じゃないか? という疑問が頭をよぎったが、まあ置いておこう。責任をとる、とか、ずっと一緒に、とかいうワードはあったから、セーフのはず……だ。とにかく、『兄妹』という関係が崩れずに日常は続いていく。このゲームに明確なゴールが設定されているのかはわからない。けれど、ここまで『兄妹の日常』にフォーカスしてくれているとは。嬉しいという反面、くやしいという気持ちが湧いてくる。ずるい、どうしてこんなゲームを創ることができるんだ。同人の強みというのはあるのだろうが(この作風で商業作品として出され、それが話題になる社会は、冷静に考えて終わっているだろう)、ここまで突き刺さってくると、夜中にこんないかれた文章を書くハメになる。
あと、ひとつ思ったのが、やっぱりこういう日常は、『なろう』と非常に親和性が高いということだ。一日単位の、劇的な変化はないけれど多少のスパイスが効いた日常が、終わりなく続いていく。それが、あの小説投稿サイトで常態化している、毎日のようにショートエピソードを連ねていく形に、よくマッチしている。
……だれか、オススメの兄妹がなかよく過ごすだけの面白い連載ありませんかね。