はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

もののあはれは彩の頃。クリアしました。

 ということで、クリアしました。

 このゲーム、共通3ルート、メイン1ルートという特殊な構造で、またルート分岐もサイコロの出目によるものというのも新鮮でした。

 サイコロを叩くか、盤面を揺らすか、盤面を揺らしてからサイコロを叩く、という3種の行動で分岐する共通ルートをすべてクリアすることで、メインルートへと至ることができる……そういう構成上、個別ルートと呼べるものはほとんど存在せず、あくまでオマケ程度に加えられています。まあ、上述の共通ルート3種が、それぞれみさき、琥珀、クレアに対応しているので、キャラクターの掘り下げは、ある程度行われるのですが。しかし物語が、『彼らは、はたして現実の世界に帰ることができるのか』に終始しているので、エッセンス以上のキャラクター描写は少ないです。人物背景や、思考などは提示されるのですが、それは設定でしかなく。設定を納得させるだけの『日常の積み重ねを行うことができない』という世界設定は、これほどネックなのですね。しかしそれを、あえて不要との判断して除いているのは、なんとも剛毅だと思いました。実際それは正しく、テンポよくストーリーが進行し、ぐいぐい引き込まれるので一気に読んでしまいます。特に琥珀の共通ルートである秋の嵐山は、キャラクター設定とギミックが相まって、メイン以上といっていいほど面白かったです。
 惜しむらくは、ストーリーの力量に、他が及んでいない点。グラフィック、音声、演出、システム。それらがもう一段、高いレベルで、とはいわずとも、ストーリーの色に寄せることができたならば。……既に『まいてつ』というひとつの完成形と出会ってしまっているからなのでしょうか、けれど、そう思わずにはいられません。ああ、もったいない! もったいないついでに、クレアというキャラクターも非常にもったいない! 人付き合いが上手で誰からも好かれているけれど、建前の中で生活することに息苦しさを感じていて、誰に対しても一定の距離を保っている金髪碧眼の女の子とかさぁ……それが、行動を共にすることでいつの間にか気の置けない間柄となって、それが恋愛感情になっていくとかさぁ……! 本来ならミサイルなみの破壊力を持ってるはずなんですよ。それが、どうにも拳銃くらいの破壊力まで落ちてしまっているんですよ。どちらにせよ俺は死にますが、爆発するか、撃ちぬかれるかの違いはあるわけですよ! ああ、もったいないなぁー!!

 ……と、好き勝手なことを書きました。久々のエロゲだったので、リハビリも兼ねて楽しんでいたのですが、ひときわ特殊な部類の作品でしたね。7月末にはまいてつの続編が出ますので、それまでにあと一作はプレイできるかな。サマポケ続編は……今じゃない気分なので、なんか探してみます。