はじめのはじめ

二次元傾倒な日々。

2023/11/27

 佐々木とピーちゃん5巻読了。
 はじめは前巻からの引継ぎ的な内容でお隣さんも登場していたのだが、中盤以降は異世界の王位継承ストーリーだったので現実世界側の人物は軒並み退場。そのため、個人的にはあまりテンションが上がらなかった。異世界方面がひと段落したので次巻からは地球のほうでデスゲームが……と思っていたところ、どうやらさらに新しい世界観が追加されるようだ。SF編、だろうか? 地球側の勢力なので、お隣さんも多少は関わってくれたらいいなぁ。
 以下、妄言。
 毎週、月曜日朝の通勤電車は精神的に死んでるわけです。火曜日以降は惰性でなんとかなるのですが、月曜だけはどうしてもだめ。けれどまあ、結婚したり家建ててローンがあったりと、どうにも気軽に死ぬことが出来なくなってしまったわけで。しにてぇ、と思いながらも電車に揺られて仕事に向かうのです。昔はこのへんの感覚がけっこうドライで、二次元趣味に没頭するために金が必要だから、仕方なく時間を割いて働いているのだと真剣に思っていた。別に今の仕事がイヤになっても選り好みしなきゃ働き口なんていくらでもあるだろ、とか、何もかもイヤになったら淡路島まで行って海の中に歩いていけばいいだろ、とか舐めたこと考えながら生きていたわけですが、そういうわけにもいかなくなった。三次元と二次元の精神的比重がゼロヒャクではなくなって、このクソみたいな社会にいくらか根を下ろすことになった。……これはまあ、今となっては良かったのだろうと思う。
 そんなことを考えていたら、佐々木のことが頭に浮かんだわけです。異世界でそれなりの地位や金を手にしたものの、佐々木にとっての最終的なゴールは地球でゆったりと隠居生活をおくることなんだな、と。
 四十路手前のひとり暮らし、小さい商社に勤めていたが物騒な異能力バトルに巻き込まれたおかげで国家公務員に転職、以降それなりに出世はしているが現実世界に深い関係性のある人物はいない。そんな彼ではあるけれど、異世界に入り浸ることはなく毎朝きちんと出社している。別に異世界で隠居してもいいのでは、と思うのだが現実世界の人間関係を切ってしまうことをしない。そのあたりから、佐々木が現実世界のほうにかけている比重はけっこう大きいのだと思うのだが、どうしてなんだろうか?
 あとこれはすごい偶然なのですが、佐々木の対人関係のスタンスがほぼドゥルーズの考える理想像だったり。交友関係を外側に広げていきつつ、ある程度関係を深めた相手には自ら協力したりするのだけれど、必要以上に近づきはせずに適切な距離を保つ、という。そういう意味では、時代に即した主人公像なのかもしれない。
 どうにも気分が沈みがちなので、気晴らしが必要である。本棚を漁っていたら『全力回避フラグちゃん!』という表紙がすげえ可愛いやつがあったので、明日はこれを読もう。